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桜の連載コラム

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#1.普通の大学生が、お水の世界へ……

 

 私は以前、銀座と六本木の高級クラブでホステスをしていました。

 現在は引退して昼間の人間(笑)に戻りましたが、クラブのホステスという仕事はやはり普通ではなく・・・よい意味でも悪い意味でもいろいろな経験をさせていただきました。このコラムではそんなクラブのホステスとして体験した、普通じゃ経験できない夜の出来事についてお話していきたいと思います。

 まず、私がオミズの世界に足を踏み入れたきっかけですが、単純に学費と生活費のためでした。
現代ではめずらしい、意外に深刻な理由です・笑。私の両親は離婚しており、母方に引き取られました。

 しかし・・・母は私が高校生のときに若い男と蒸発してしまったんです!!!

 このときばかりは、さすがに大ショックを受けました。仕方がないので、私は高校中退して一人暮らしをスタート。親からの仕送りはありませんでした。

 最初は、安い時給で昼間の仕事をせっせせっせと働いていましたが、大学に通うようになると私立大学の学費が恐ろしいほど高く、大学入学までに貯めていた預金もあっという間になくなりました。そこで、私はお給料のよい夜の世界で働くことを決意したのです。

 一見華やかな世界に見える高級クラブのお仕事・・・。しかし、そこで待っていたのは厳しい現実の世界でした。

 入店して一番最初にビックリしたのがホステスの美人度の高さ!私の中での“美人”とか“かわいい”というレベルは、メディアに姿を現す方々が最高レベルだと思い込んでいたのですが、実際のクラブにはテレビで見る芸能人よりもキレイな人がたくさんいるのです。スタイルも抜群で衣装も華やか、メイクさんなんていなくてもメイクレベルはプロ並みです。

 そんな競争率の高いステージでホステスはみんなあの手この手でお客様の気を惹こうと“色”を使って売上げを上げているのです。正直、入店した直後は“こんな美人の女性たちに太刀打ちできるわけないじゃない!”と、かなり弱気になってしましました。

 でも、指名や同伴が取れなければ誰からも相手にされず、きちんと仕事やノルマをこなさないホステスはすぐにクビにされてしまうのが現実です。

 つまり、お店側としては“高いお給料払っているんだから、店の売り上げを上げない女はいらない!”っていうワケなのですね。

 はっきり言ってものすごく厳しい世界です。

 学費と生活費を稼がなくてはいけない私は、男性の興味を引く魅力的な女性になろうと必死でした。美容やファッションには常に気を遣い、会話を磨く本や魅力的な女性になるための本、新聞や雑誌などたくさん読んで勉強しました。それでも接客はなかなか慣れず、場違い(本人はそう思ってはいないのですが
^^;)なことを言ってお姉さんに睨まれたり、黒服さんに注意されましたね。ホステスという職業にありながら会話に入れないというのは寂しいことです。

 衣装もしばらくお金がなくて高価なものは買えませんでしたので、“何あの新人!あんなに安物着て〜”という目でお姉さんたちにジロジロ見られました。どんどん自分の居場所がなくなっているように感じましたが、それでも辞めるわけにはいかず、最初はじっと耐えながらわからないことはお店の黒服さんに何度
も相談したものです。

 その甲斐あってか指名も同伴も取れるようになりましたが、営業の電話やメール、勉強の時間を入れるとプライベートな時間はほとんどなく、ストレスがたまる毎日だったのを今でも覚えています。短時間で高いお給料もらうのにもたくさんの時間と労力が必要なことを勉強しました。

 楽して稼げるなんて思ってはダメなんですね・苦笑。仕事だけで言うとお酒を作ってお客様と会話をするだけなのですが、簡単な仕事ほど極めるのは難しいものなのですね。ホステスは高給ですが、大変な職業に就いたものだなぁ・・・と心底思いました^^;

 このコラムでは、そんな普通では経験できない元ホステスとしてのお話を一話ずつしていきたいと思っています。知られざるホステスの実態、お客様との接客など“こんなこと話していいの?”ということまで暴露していく予定です・笑。

次回も楽しみにしていてくださいね!



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